単価指数 説明資料

「SRI一橋大学消費者購買指数」と「SRI一橋大学単価指数」の相違点

SRI一橋大学消費者購買指数には、
消費者の支出を示す「支出指数」、消費者の購買価格を示す「価格指数」、消費者の購買数量を示す「数量指数」、商品の入替による変化を示す「商品入替効果指数」の4種類があります。

「支出指数」は、支出(消費者購買支出)の変化を示しており、既存商品の購買価格や数量の変動や、新規取扱商品や取扱中止商品に対する支出の変動を反映しています。
「価格指数」は、既存商品(今年も昨年同週も販売されていた商品)の販売価格(消費者購買価格)の変化を示しています。
「数量指数」は、既存商品(今年も昨年同週も販売されていた商品)の販売数量(消費者購買数量)の変化を示しています。
「商品入替効果指数」は、昨年同週には販売していなかった新規取扱商品(新発売商品、新規導入商品)の支出、昨年同週には販売していたが今年同週には販売が無くなった取扱中止商品の支出の影響を示しています。

各指数の数値は、前年同週との変化を示しています。

一方、SRI一橋大学単価指数は、
SRIの特徴である詳細な商品POS情報を用い、商品の単価価格を計算した価格指数です。
商品の「容量調整」を考慮し、これまで計測が困難とされた「新商品効果」(前年に存在していなかった商品(新商品)と今年存在していない商品(消滅商品)の価格変化)も考慮にいれた指標となっています。

SRI一橋大学購買指数のPOS-CPI(週次消費者購買価格指数)との違い

POS-CPIは継続商品(今週も前年同週も販売があった商品)のみを対象としているのに対して、SRI一橋大学単価指数は、継続商品のみならず、新商品、消滅商品も対象としています。
また、POS-CPIは同一商品(同一JANコード)であれば、容量の増減は考慮していませんが、SRI一橋大学単価指数はカテゴリー単位にまとめて、単位当たり価格を算出しています。
両者は意味合いが大きく違いますので、ご留意ください。

単価指数の見方と利用の留意点

新商品効果の計測にあたっては、「SRI」データのカテゴリー容量単価を利用し、容量調整などの実質値上げも含んでいます。商品の容量単価で計算し、インフレ率を下記の三つの効果に分解することができます。

標準的な価格変化(濃い青)は、標準的なインフレ指標であり、継続商品の値上げ、あるいは値下げを示したものです。
継続商品内の代替効果(薄い青)は、割高な商品と割安な商品間の需要のシフトを示しており、一つの品目内に膨大な商品銘柄情報を有するPOSデータであればこそ、商品間の代替度合いを定量化することができます。これがマイナスであれば、割安な財への支出が増加していることになります。
新旧商品入替効果(灰色)は、新商品の価格が継続商品の商品よりも高ければ、あるいは継続商品が消滅商品よりも高ければ、単価インフレ率を上昇させることになります。

※ 標準的価格変化率は、継続商品の、値上げ・値下げを反映(一般的な物価指数)
継続商品内の代替効果は、継続商品同士の価格の増減に対応する需要の増減を反映しています。
新旧商品入替効果は、新商品価格と継続商品、継続商品と消滅商品間の価格差を反映しています。

新しい物価指数を開発した意義

「消費者物価」とは、簡潔にいえば、消費者が購入した商品やサービスの価格がどのように変化しているかを表すものです。
これまで、総務省の消費者物価指数では、標準世帯(親2人・子2人)が標準的な小売店で定番商品を購入する状況を把握することで消費者物価としていました。
(これからも経年で物価の推移を把握するために、総務省の指数にも大きな役割があると認識しています。)

一方で、近年、世帯構造変化等の影響で消費者の購買行動が多様化しています。
それに伴い、商品を供給するメーカーは、相次いで新商品を投入するなど取組みを行い、商品を販売する小売業は、品揃えや特売などの販売方法を多様化させています。

インテージでは、消費に関する様々なデータが揃っており、特に日常的に購入している、加工食品や飲料、日用雑貨品などの消費財に関しては、日本最大のPOSデータを保有しています。
これらのデータを物価指数の算出に活用することで、従来の調査ではとらえることの難しかった、消費者側と供給側の多様化に対応した、実感に近い指数を開発することが可能となりました。

容量情報に着目した意味

インテージのPOSデータに基づき、店舗レベルで見た場合に、前年になかった商品(前年からの一年間に登場した新商品)の売り上げに占める割合は35%程度、商品種類だと50%近くになり、新商品の割合は非常に大きいものとなっています(生鮮食料品や日配品は除く。)これらは、継続商品に限定して指標を作成すると、多くの情報が活用されないことを意味します。

本指数の算出基になっているPOSデータには、商品の名前やコード以外にも、容量の情報が含まれています。例えば、アイスクリームが120mlから110mlに変化した場合、その変化を追跡することができ、グラムやミリリットルといった単位で測った「容量単価」は、新商品も旧商品も同様に計算することが可能になります。

実際、多くの公式統計では、容量調整による商品の入れ替え調整が行われており、容量単価が指数作成の際に使われています。

新商品情報の特徴と傾向

SRI一橋大学消費者購買指数のように、POSデータを用いた価格指標では、多くの商品を扱っていますが、店頭で使われているPOSシステムそのものには新商品の情報が含まれているものの、価格指数を計算する際に、どうしても過去と現在の価格差を計算する必要があり、過去の記録がない新商品の情報は、価格指数計算の際に落とされてしまうことがありました。
しかし、実際には、新商品は非常に高い率で発生しており、旧商品との価格差も大きい(新商品は消滅商品や継続商品より高い傾向がある)ことがわかりました。

新商品情報の特徴と傾向

  • 基本設計:日本全国、北海道から沖縄県を11ブロックに区分。各地域における需要の代表性を確保するよう店舗を抽出、対象とする。
  • 対象店舗:GMS、スーパーマーケット、ドラッグストア、CVS等の約4,000店舗が対象
  • 対象品目:JANコードが付与されている消費財、約300品目、詳細区分にして1,700前後。
    食品、飲料、アルコール、日用雑貨を中心に容量情報が取得された品目カテゴリーが対象
    新製品は随時追加する。週当たり約40万点の商品が発生
  • 調査方法:対象店舗のPOS情報によりJANごとの販売時点の情報から販売価格、販売個数を入手。週次でデータ集計。

単価指標の利用方法

新たなマクロ指標として行政関係者やシンクタンクでの利用はもとより、マーケティング活動の参考になる指標として、メーカー様や小売業様での利用も想定しています。
また、今後、生鮮食品のPOSデータも新たなデータとしてこの指数に組み入れていく予定となっており、一次産業の生産・流通にかかわる方々にも、生産物の市場・消費動向をおさえる一つの指標となるものと思われます。
より消費者の実感に即した指標として、広く一般に利用していただけるよう、今後も3者で開発を進める予定です。