小売業界における価値

一般社団法人 新日本スーパーマーケット協会
会長 横山 清

小売業界における共同プロジェクトの意義

私ども新日本スーパーマーケット協会は、前身である日本セルフ・サービス協会の設立以来約55年に亘り、スーパーマーケット業界の発展、国民生活の発展に寄与すべく活動してまいりました。
しかしながら、総務省の標準産業分類に「スーパーマーケット」の定義は設けられていません。私どもでは「スーパーマーケットの“戸籍”を作りたい」と、業界の存在感を高めるべく、2010年より同業団体と合同で「スーパーマーケット統計調査」を開始し、スーパーマーケット業界の販売高や景況感などを取りまとめ、公表してまいりました。

今回、一橋大学、インテージという素晴らしいパートナーを得て、共同のプロジェクトが立ち上げられたことにより、新たな経済指標を公表できる運びとなりました。学術的視点で、いわゆる国民生活をより豊かにする考えで、三者が同じテーマを追いかけることで、マーケティングデータを活用した、世界にも類を見ない、流通小売業から消費者まで役立つ、また行政施策の立案等にも役立てていただける経済指標の開発と分析を行います。

スーパーマーケット業界は、日本において60年の間に進化してきましたが、「流通を科学する」という点では、まだ実現には至っておりません。他業態でも食品の取り扱いを増やし、通信販売・ネット販売の取り組み、オムニチャネル対応が進むなどしておりますが、当業界はその加速するスピードに追い付けておりません。今回の指標では、他の小売業態との比較も可能であり、従来はできなかった業界動向や消費動向が把握され、業界発展への期待が高まります。

現時点ではこのプロジェクトがスーパーマーケットにどのようなを影響もたらすかについては、未知数ではありますが、今後の活動により必ずや良い方向に進むと確信しております。皆様のご支援、ご活用をお願い申し上げます。